日本中東学会第38回年次大会プログラム
掲載日:2022年5月9日
日時:2022年5月14日(土)、15日(日)
開催校:早稲田大学文学部・文学研究科中東・イスラーム研究コース
第1日目:2022年5月14日(土)
- 17:00〜19:00
- 公開講演会(英語/日本語同時通訳付・オンライン形式)
『中東を越えて:中東の内/外で書く』(アミン・マアルーフ氏との対話)
The Middle East...and beyond: Writing In/Outside the Middle East (A Dialogue with Amin Maalouf)
- 対話者 :
- アミン・マアルーフ(作家)、小野正嗣(作家・早稲田大学)、大稔哲也(モデレーター・早稲田大学)
- コメント :
- 岡真理(京都大学)、黒木英充(東京外国語大学AA研)
- 挨拶:
- アレックス・マレット(早稲田大学カタール・チェア)
アミン・マアルーフ氏は『アラブから見た十字軍』以来、日本でも多くの読者を獲得してきました。その後に『サマルカンド年代記』『レオ・アフリカヌスの生涯』『光の庭:小説 マニの生涯』と、歴史小説の分野においても深みのある作品を生み出し、『タニオスの岩』ではゴンクール賞も受賞しています。レバノン出身の自身のルーツも他の作品で掘り下げられており、さらに近年は『アイデンティティが人を殺す』『世界の混乱』など、広大なスケールで中東の現実に深く根差した文明論や、国際情勢への犀利な洞察を発表し続けています。今日のアラブ系文化人を代表する一人と言えましょう。しかしながら、これまで日本の中東学界との交流は乏しく、その思想の背景などについて本格的に披歴してもらう機会はありませんでした。そこで、今回は公開で対話の場を設け、中東ヘの眼差し、中東を書くことの意味、アイデンティティー、彼の一族の歴史的背景、ワタン、グローバリゼション、今日の世界の在り方など、縦横に語ってもらう予定です。また、それに際して、マアルーフ氏の2作品を翻訳し、自身も作家にしてポスト・コロニアル文学・世界文学の著名な研究者である小野正嗣さんに加わっていただき、さらに岡真理会員、黒木英充会員からもコメントをいただきます。
タイムテーブル(暫定)
- 17:00~7:05
- 早大理事の挨拶
- 17:05~17:15
- 大会の開催方式と公開講演会の趣旨について説明
マアルーフ氏・対談者・挨拶者の紹介(大稔) - 17:15~17:55
- 鼎談 (小野・大稔)
- 17:55~18:05
- (岡)コメントと返答
- 18:05~18:15
- (黒木)コメントと返答
- 18:15~18:25
- 休憩
- 18:25~18:55
- 視聴者からの質問と返答
- 18:55~19:00
- 挨拶(A・マレット)
主催・共催
- 主催
- 日本中東学会
- 共催
- 早稲田大学カタール・チェア(Chair of the State of Qatar for Islamic Area Studies)
早稲田大学総合人文科学研究センター
早稲田大学文学部・文学研究科中東・イスラーム研究コース
第2日:2022年 5月15日(日)
- 会場:
- 早稲田大学戸山キャンパス32号館 ※ハイフレックス(対面とZoomの併用)
- アクセス:
- https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus 外部サイトへのリンク
- 企画セッション
- 10:20~11:50 / 13:00~14:30
- 個人研究発表
-
- 午前の部
- 1) 9:30~10:10
- 2) 10:20~11:00
- 3) 11:10~11:50
- 午後の部
- 4) 13:00〜13:40
- 5) 13:50〜14:30
- 6) 14:40〜15:20
- 7) 15:30〜16:10
- 8) 16:20〜17:00
企画セッション
- 氏名の右側の( )内は所属。J は大学院生を指す。
10:20〜11:50 (第5部会会場 : 127教室)
‘Gender, social change, and politics in the Arab states of the Gulf’
- Panel Chair:
- Abdullah Baabood (Waseda University)
- Speakers:
-
- Namie Tsujigami (Sophia University),
- ‘Do Consumption and Entrepreneurship Change Gender Order in Saudi Arabia?’
- Manami Goto (JSPS; New York University Abu Dhabi),
- ‘Social Changes on the Abaya: The Study of Qatari Women’
- Woohyang (Chloe) Sim (Waseda University),
- ‘The reversal of the gender gap in Qatari higher education’
- Respondent and Panel Organizer:
- Matthew Gray (Waseda University)
13:00〜14:30 (第6部会会場 : 128教室)
「社会変容と儀礼の再構成 : 現代イランの追悼儀礼から」
- 司会:
- 椿原敦子(龍谷大学)
- 発表者:
-
- 黒田賢治(国立民族学博物館)
- 「追悼儀礼へのビジュアル・アプローチへの可能性 : 『フレイムのなかの事件』を手がかりに」
- 谷憲一(上智大学)
- 「国家および宗教権威による儀礼の包摂と排除 : 現代イラン の事例から」
- 椿原敦子(龍谷大学)
- 「フィクションとしての追悼儀礼」
- コメンテーター:
- 山岸智子(明治大学)
個人研究発表
第1部会(オンラインのみ)会場:227教室
- 1-1) 9:30〜10:10
- Nicholas Mangialardi (Williams College), ‘“A Warm Eastern Sound”: Listening to Arab Travelers in Modern Japan’
- 1-2) 10:20〜11:00
- Dana Alnafouri (University of Tsukuba, J), ‘Wall paintings from ancient Syria’
- 1-3) 11:10〜11:50
- 兼定愛(同志社大学)「クルアーンに見る悲しみへの対応 :「ラー・タフザン」という章句についての伝統的スンナ派啓典解釈書の分析を通して」
- 1-4) 13:00〜13:40
- アルモーメン・アブドーラ(東海大学)「宗教言語と翻訳ストラテジー に見る意味等価とその妥当性 : クルアーンの「雌牛章(アル=バカラ)」を参照して」
- 1-5) 13:50〜14:30
- 竹田敏之(立命館大学)「現代アラブ詩における韻律学の伝統と革新」
- 1-6) 14:40〜15:20
- 榮谷温子(慶應義塾大学)「アラビア語文法学における「種(jins)」の概念と「一般」の用語の関連」
- 1-7) 15:30〜16:10
- 村上武則(東京外国語大学)「クルド文学史の文学史」
- 1-8) 16:20〜17:00
- なし
第2部会(オンラインのみ)会場:226教室
- 2-1) 9:30〜10:10
- なし
- 2-2) 10:20〜11:00
- 井堂有子(日本国際問題研究所)「エジプトの小麦政策とスーダンのゲズィーラ灌漑計画:ナショナルな食の安全保障をめぐるナイル渓谷の攻防」
- 2-3) 11:10〜11:50
- なし
- 2-4) 13:00〜13:40
- 柳沢崇文(日本エネルギー経済研究所)「脱炭素化の潮流と湾岸協力理事会(GCC)諸国の動向」
- 2-5) 13:50〜14:30
- ハディ・ハーニ(東京理科大学)「アブラハム合意における権力と抑圧 : 批判的ディスコース分析の観点から」
- 2-6) 14:40〜15:20
- 岡野内正(法政大学)「トルコからのジェンダー難民によるイスラーム社会で最初の武装ジェンダー革命としてのロジャヴァ革命」
- 2-7) 15:30〜16:10
- Keiko Sakai (Chiba University), ‘How do geo-historical factors affect political preference: the case of Baghdad constituency in Iraqi parliamentary election in 2021’
- 2-8) 16:20〜17:00
- 小林周(学会員)「2021 年リビア国政選挙の分析 : なぜ選挙は計画され、延期されたのか」
第3部会(オンラインのみ)会場:225教室
- 3-1) 9:30〜10:10
- なし
- 3-2) 10:20〜11:00
- 松田和憲(京都大学)「パキスタンにおけるラッバイク運動の結成と冒涜法」
- 3-3) 11:10〜11:50
- 岩倉洸(京都大学)「アゼルバイジャンにおける国家による宗教管理の行方 : 2022年「信教の自由法」の改正を巡って」
- 3-4) 13:00〜13:40
- 黒田彩加(立命館大学)「シャリーアと国家」をめぐる現代思潮とイスラーム改革 : ハーリド・アブルファドルの政治思想の分析から」
- 3-5) 13:50〜14:30
- 桐原翠(日本学術振興会)「現代イスラーム世界におけるハラール :イスラーム法学派による食事規定とハラール食品の取り扱い」
- 3-6) 14:40〜15:20
- 足立真理(日本学術振興会)「現代インドネシアにおけるザカートの再構築 : イスラームにおける制度化、デジタル化、新自由主義による影響をめぐって」
- 3-7) 15:30〜16:10
- 小島宏(早稲田大学)「英国のムスリム若者における宗教関連行動と健康
- 3-8) 16:20〜17:00
- なし
第4部会(オンラインのみ)会場:224教室
- 4-1) 9:30〜10:10
- 望月葵(立命館大学)「欧州の移民・難民コミュニティの存立基盤とシリア難民問題」
- 4-2) 10:20〜11:00
- 鈴木慶孝(日本学術振興会)「トルコにおける移民・難民の地位と権利に関する一考察:条件付き難民を中心として」
- 4-3) 11:10〜11:50
- Ziad Alahmad (Tokyo University of Foreign Studies), ‘Temporary protection as a temporary solution: How Syrians see Turkey's protection system after a decade of displacement’
- 4-4) 13:00〜13:40
- 熊倉和歌子(東京外国語大学)「マムルーク朝時代エジプトのアラブ部 族と灌漑の維持管理」
- 4-5) 13:50〜14:30
- 小澤一郎(立命館大学)「19・20世紀転換期のマクラーンにおける交易・交流 : バルーチ人社会とアフガン人の武器交易活動」
- 4-6) 14:40〜15:20
- 福永浩一(上智大学)「近代イスラーム改革思想に見られるスーフィズ ム概念を巡る一考察」
- 4-7) 15:30〜16:10
- 篠田知暁(東京外国語大学)「15〜16世紀グマーラ山地の知識人ネッ トワーク形成」
- 4-8) 16:20〜17:00
- なし
第5部会 (ハイフレックス:対面とオンライン)会場:127教室
- 5-1) 9:30〜10:10
- なし
- 5-2, 5-3) 10:20〜11:50
- 企画セッション ‘Gender, social change, and politics in the Arab states of the Gulf’
- 5-4) 13:00〜13:40
- Yuki Sawaguchi (University of Tokyo, J), ‘The Impacts of Marginal Status for Women Soldiers in the Israeli Military’
- 5-5) 13:50〜14:30
- クレシ・サラ好美(慶應義塾大学 J)「日本に暮らすムスリム第二世代 : 当事者の語りから見える葛藤の様相」
- 5-6) 14:40〜15:20
- なし
- 5-7) 15:30〜16:10
- 野中葉(慶應義塾大学)「在日インドネシア人ムスリムとモスク建設」
- 5-8) 16:20〜17:00
- 近藤久美子(大阪大学)「日本人学習者へのアラビア語教育:コミュニカティブ・ラーニングをめぐって」
第6部会(ハイフレックス:対面とオンライン)会場:128教室
- 6-1) 9:30〜10:10
- 中村友紀(筑波大学J)「西岸地区における紛争がパレスチナ人農家の営農に及ぼす影響の定量的分析」
- 6-2) 10:20〜11:00
- 鶴見太郎(東京大学)「記憶の持ち越し:シオニズムにおける東欧でのポグロムとパレスチナでの暴力」
- 6-3) 11:10〜11:50
- 岡真理(京都大学)「中東現代文学におけるワタンと郷愁」
- 6-4, 6-5) 13:00〜14:30
- 企画セッション「社会変容と儀礼の再構成:現代イランの追悼儀礼から」
- 6-6) 14:40〜15:20
- 千葉悠志(公立小松大学)「中東諸国における情報部門の民営化とその政治的意味 : エジプトの事例を中心に」
- 6-7) 15:30〜16:10
- 米田優作(立命館大学 J)「現代エジプト政治におけるサラフィー主義組織の思想と活動:ダアワ・サラフィーヤとヌール党を事例に」
- 6-8) 16:20〜17:00
- 岡室美恵子(星城大学)・染矢将和(名古屋大学)「COVID-19 のエジプト経済への影響」
第7部会(ハイフレックス:対面とオンライン)会場:325教室
- 7-1) 9:30〜10:10
- 濱田聖子(東京大学)「ジャーヒズにおける自然・理性・意志・選択:倫理的作品への応用」
- 7-2) 10:20〜11:00
- 中野さやか(早稲田大学)「タバリーの美しくつなげられた歴史:アブドルマリク・ブン・サーリフの伝記の比較を中心に」
- 7-3) 11:10〜11:50
- 荒井悠太(早稲田大学 J)「民族史」としての『イバルの書』:前近代アラビア語史書への構造的分析」
- 7-4) 13:00〜13:40
- 池端蕗子(立命館大学)「急速に変容する現代社会とイスラーム:集団的イジュティハードによる法解釈の展開」
- 7-5) 13:50〜14:30
- 竹村和朗(高千穂大学)「離婚」裁判所の行方:エジプトの2022年身分法改正論議から」
- 7-6) 14:40〜15:20
- 早矢仕悠太(東京大学 J)「マーリク派法学における死地観念の形成と都市/村落空間の法規定」
- 7-7) 15:30〜16:10
- 後藤絵美(東京外国語大学)「クルアーンとジェンダー平等:ナスル・ハーミド・アブー=ザイドの議論の論理と可能性」
- 7-8) 16:20〜17:00
- なし
日本中東学会第38回年次大会実行委員会
- 委員長:
- 大稔哲也
- 事務局長:
- 五十嵐大介
- 副事務局長:
- 佐藤尚平
- 委員:
- 小松香織、桜井啓子、土佐林慶太、杉本悠子、柳谷あゆみ、長谷部圭彦、高木小苗、永島育、沈雨香、Alex Mallett
主催・共催
- 主催
- 日本中東学会
- 共催
- 早稲田大学総合人文科学研究センター
早稲田大学文学部・文学研究科中東・イスラーム研究コース