日本中東学会
Japan Association for Middle East Studies
第1回日本中東学会奨励賞
(2009.8.15 更新)
第1回日本中東学会奨励賞を受賞して
青柳 かおる (東京大学大学院人文社会系研究科助教)
このたびは、日本中東学会奨励賞という大変立派な賞をいただくことができまして、とてもうれしく、光栄に思っております。私の研究を指導し励ましてくださった先生方、先輩方、友人の皆様に深く感謝申し上げます。
私は、修士課程の一年のときに中東学会に入会しましたが、そのときには、まだ研究テーマも決まっておりませんでしたので、論文の執筆など程遠い状態でした。しかし、先生、友人に助けられ、アラビア語の文献を読みながら研究を続け、いくつかの成果を発表することができたことは幸せでした。
今回の論文は、私の今までの研究の集大成となることを目指しまして、博士論文で扱った宇宙論と、博士課程修了後の研究である婚姻論、セクシュアリティーの研究を統合させたものです。マッキー、ガザーリー、イブン・アラビーという三人のスーフィーを取り上げ、それぞれの思想的背景である存在論の違いによって、性の議論も異なっていることを明らかにし、スーフィズムの思想史の変遷をたどりました。今後も中東研究に貢献し、精進を重ねてまいります所存ですので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
(受賞対象論文: Aoyagi Kaoru, “Transition of Views on Sexuality in Sufism: Al- Makk?, al-Ghaz?l?, and Ibn al-?Arab?,” AJAMES 22 (1) (2006): 1-20.)